Garage Book

「MINIプラス」や「クラシックミニマガジン」等、雑誌で取り上げられたGARAGE RUFの掲載記事をアップしています。

ミニプラス 2009 VOL.30

’65 AUSTIN MINI COOPER 1275S Mk1すべてのミニファンが夢見る究極のモデル

ミニプラス 2009 VOL.30

ミニに限ったことではないが、ビンテージモデルを所有することは、クルマを趣味とする人たちにとっての憧れのひとつだ。現代のクルマにはないスタイルは所有する満足度も高く、さらにそのクルマを自分のセンスで仕上げていく喜びは、まさにクルマ趣味の醍醐味といえよう。
ミニのなかでも特別な存在であるクーパーSは、ミニファンにとって究極ともいえる1台。一見すると内外装ともにノーマルの上級仕様とあまり違わないし、わずかにエンブレムにあるSの文字でしかクーパーと識別できない。しかし、サーキットにおけるレースのためのチューニングが施されたエンジンは、ほかのミニとはまったくの別物で、モンテカルロで伝説的な勝利をあげたのもこのクーパーSであった。そんな輝かしいイメージを大切に、現代でもその走りを存分に堪能することをコンセプトにキッチリ仕上げられたのが「ガレージ・ルーフ」のクーパーSだ。内外装、機関ともにフルレストアが施され、当時の雰囲気をいまに伝えている。クーパーS中、唯一のロングストロークである1275ccユニットは、トルクフルで非常に扱いやすい。
このクルマには純正のHS2SUツインキャブよりもひと回り大きいHS4SUツインキャブが装着され、走行性能のアップデートが図られている。ビンテージの雰囲気を壊すことなく、現代でも通用するストレスフリーなパフォーマンスが与えれているのだ。

Mini Story

「クーパーS」は1071ccのエンジンと、より大型のディスクブレーキを特徴とし、1964年8月のモデルチェンジまでに約4000台が生産された。当初A型エンジンの排気量UPは1071ccが限界と見られていたが、ダウントン社のダニエル・リッチモンドがボア・ピッチをずらして1275ccまで拡大する手法を考案、イシゴニス、クーパー、リッチモンドの歴史的な3者会談により、量産型の1275クーパーSの計画がスタートした。量産に際して、サーキット・レースのクラス分けに合致した970ccと1275ccのふたつのモデルを新たに追加、970ccモデルはあまり売れず、65年に生産中止となったが、1275ccの「クーパーS」は4万台以上が生産され、1971年に生産終了となった。